7月例会の報告

平成21年7月19日 草津まちづくりセンター

   午前9時40分~午後16時30分まで   

内容    
午前「五臓の生理病理」(脾)    中谷武夫先生        
   「難経脉診・脉論」        二木清文先生               
        
午後「取穴」     
   「誤治から学ぶ」     
   「基本刺鍼」   
   「小里方式」
  

午前
今回の挨拶は、二木清文先生による挨拶であった。まず、岸田美由紀先生の著書の出版・そして二木先生の第三児のご誕生ととてもステキなご報告を皮切りに挨拶を始められた。最近は漢方鍼医会としても女性鍼灸師の活躍が増えてきたことから研修会での託児所の必要性から、前回の小林久志先生のお話を絡められて臓器移植法に見逃されている重要な問題点までお話しされた。政治・宗教と様々な点から死生観の統一は困難であるが、医師の決定に従うしかない患者・身内への心のケアまで配慮を成し得ないで真に求められているものへの到達はあり得ないのではないか。これら倫理的問題は決して我々鍼灸師にも無縁のことではなく日頃から考えて行かねばならないことであり、今回のご挨拶は私たちの今後のあるべき姿勢として道しるべともなった。

本日の最初の講演は、中谷武夫先生による「脾の生理・病理に講義風景ついて」であった。脾の位置づけ・役割として水穀の精微を五臓六腑に送ることから気・血・津液を養っていること、原動力として心・腎の相火について等総論のポイントをへて、各論では脾の作用である運化・統血・昇清をとても分かりやすくご講義頂いた。後の質疑応答の時間もいくつかの質問に対し、中谷先生を中心にベテランの先生方のそれぞれの視点から意見を伺うことができ、とても充実した時間となった。
続いて、今回は外来講師である杉山勲先生の「胃の気の脉診について」のご講義を踏まえての二木清文先生によるお話であった。胃の気の脉がベストとなる状態、それは我々にとって究極の目標とも言える。そのような胃の気の脉を杉山先生が重視してみられるようになった経緯から運営の方法を二木先生ご自身が本部例会で実際に手法を受けられた感想と交えてお話ししてくださった。そして、実技を受けられて特に印象深かったこととして、杉山先生の手さばき・刺鍼技術の高さをあげられており、これは自己治療を行われているからこそのものであろうとのお話には、まずは一番身近な身体から常に学ぼう、何かを得ようとする意欲の大切さが身に浸みたのであった。講義後の質問の時間では、意見大きく異なる治療スタイルの違いに関して質問が上がった。この問いに対し、経絡治療として一致するものはもちろんあるのだが、一概に経絡といっても様々な顔があることから目的部位の違いはあるということであった。結果、まず経絡流れをいかに作り出し、治癒に導けるかの重要性を最後にしかと学ぶことができた。
 

午後 
午後は、まず脾経・大腸経の取穴から始まった。脾経では、表取穴風景裏の肌目を惑わされやすい点を気を付けなければならないということと、教科書的にはどれをみても商丘の取穴は内踝前下方というのみの記載であるが、実際の臨床現場でのツボの取り方はいかなるものかということを実に分かりやすくご指導頂くことができた。この取穴の時間は生きて働く穴を正確に取るためにも、モデル点をベテランの先生方にしっかりと学べるとても貴重な機会であると改めて感じたのであった。

次に、二木清文先生の提案から誤治の診察から正確な診察との大きな違いを学んだ。誤治の脉をわざに作り出すことによってその後に正確な治療を施した時のリアルタイムでの変化を皆でみて、触れて、感じ取ることができた。治療家の一本の謝りがいかに患者の身体に影響を及ぼすかということを胸に刻み込んだのであった。そして、今回は二木清文先生の臨床室から、一穴をつかい、簡単に行える「のぼせ解消法」の補助療法を学ぶことができた。治療をしていく上でドーゼ過多や、敏感な方の「のぼせ」に出会われたことはなかろうか?その際に皆さんは患者を安心させる落ち着いた対応で解消法を備えられておられるでしょうか?臨床現場にでていくうえでとても心強いものとなった。 小里式実技風景
 
午後の後半は、聴講班と基礎班と研修班の三班に分かれて小里方式を行った。聴講班は小林先生ご指導のもと行い、基礎班は二木先生のご指導のもと二人のモデル患者を皆で治療したのであった。この時間は、毎回皆さんの意欲・姿勢から沢山の刺激を受ける。このような時間を設けていただくことからも常に向上心をそなえ学んでいけるのだと強く感じるのである。 
 

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