2月例会の報告

平成22年2月21日 草津まちづくりセンター
  午前9時40分~午後16時30分まで

内容
午前 「気血津液について」      岸田美由紀先生
    「脉診・脉論について」     二木清文先生                

午後 「取穴」        
    「基本刺鍼」
    「小里方式」

午前
今回の挨拶は、小林久志先生による会長挨拶でした。まずは、最近の政治のよどみについて話して頂きました。今の政治は先のビジョンを見据えているのだろうかそれだけではなく国の政治をになう代表の大人達の行動をテレビを通してみて育つ子供の影響へ不安を述べられました。鍼灸界の話題としては、大阪であった無免許鍼治療による気胸事件について触れられ、自らの学生時代の気胸体験も踏まえお話し頂きました。これを機に世間が鍼のイメージを良くは感じ取らないことを胸に留めつつ、我々の行動・言動にさらなる芯をもって「鍼灸」を伝えて行きたいと感じました。
午前講義1
午前最初の講義は、岸田美由紀先生による基礎講義で「気血津液について」でした。この講義をされるにあって、「どうして気血津液を学ぶのか」という原点に立ち返りまとめ上げられました。それぞれの各論・病理状態に時折臨床室のお話も交えて分かりやすく説明して頂きました。この変動を捉えてこそ治療に結びつく。そのことを理解して、基本をしっかりと押さえてこそ臨床での様々な病態と向き合えるのだということが改めて強く思った点でありました。

次は二木先生による「脉診・脉論について」の講義でした。本部例会で午前講義2の森本先生による「難経49難の攻略法」の復習となる内容でした。要点を確認した後には、森本先生のお話を聞いて感じ取ったことを臨床家の先生方から伺うことができました。「49難への忠実さ」「体系化の巧みさ」「細かなところまでみていく姿勢」などをはじめいくつも感銘を受けた点があげられました。滋賀で特に着目していた75難や、テキストに記載されていることにも講義内で触れてくださっていたことで、森本先生の解釈からとても新鮮に感じながらも、改めて学ばせて頂き、今まで以上のさらなる理解を深めることができました。

午後
午後は、まず腎経・胆経の取穴から始まりました。腎経の取穴取穴風景では然谷の取穴の際には、軽擦の段階で経絡の流注を垂直に一度きることで、生きて働くツボをより取りやすくなる方法を実際の実技として学ぶことができました。胆経の取穴では、一つ一つツボをみていく間に最近の臨床室からパーキンソンの患者さんで今まで使用していた胆経でも一つツボを変えたこと出かなり症状の安定が維持できるようになった例を伺うことができました。モデル点をベテランの先生と丁寧にみてゆき、毎月ご指導頂く機会で生きて働くツボの感覚をさらに覚え込んでいきたいと感じました。

続いて腹部を使っての基本刺鍼の修練をおこないました。ここでは、衛気営気どちらが手しているかを意見を交わしながら予想し、その後に実際鍼をうち確認に入ります。今回は衛気営気の手技をハッキリと区別させることを注意点としてあげられました。衛気の手法が長すぎる傾向がよく見られることから、ベテランの先生に実際に手技の長短での身体の変化を示して頂くことができました。治療は術者の自己満足では行うものではないと強く訴えられたのでありました。しっかりと感覚を押さえてから抜鍼するのでは遅すぎるのだとアドバイスを頂くこともできました。しかし、慣れないうちは抜くことばかりに気がいってしまうので、さらなる修練を重ねて行きたいと意気込みいっぱいに終えた時間となりました。
小里式実技風景
続いて、ベッド2台に分かれて小里方式を行いました。二木先生と小林先生のご指導のもとそれぞれのベッドに上がられた風邪と花粉症のモデル患者の治療を行ってゆきました。いつものように体表観察からはじめて、選経・選穴の段階では本部例会での森本先生の講義内容も踏まえた質疑も交わしながら証へたどっていきました。午前では岸田先生の気血津液のご講義を頂いたことでモデル患者の病理考察もさらに深く確認しあうことができました。
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