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更新日:
2007年10月25日
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月例会の報告



 平成19年10月21日 草津市まちづくりセンター

  午前9時40分〜午後5時まで

   内容
    午前 
「臨床あれこれ」  飯田 寿先生 

         「病理考察」 二木 清文先生

    午後 「取穴法」
        「基本刺鍼」 
        「呼吸法を応用した基本刺鍼」 
        「小里方式」

 今月は二木清文先生による挨拶で、漢方鍼医会における証の捉え方についてお話しされました。今年の夏季研の中でも明らかでしたが、漢方鍼医会の中で証の考え方、捉え方の観点が異なっていると述べられました。2月の合宿で証決定した上での確認の手順など確立したいとのことでした。

 午前
 午前の初めの講義では、飯田寿先生による「私の臨床室から」として逆子の灸について発表して頂きました。逆子の灸の方法や効果をデータ をもとに分かりやすく説明してくださるとともに、実際に飯田先生の治療院での逆子の灸の治療効果にいてもお話しして下さいました。逆子の灸は、三陰交や至陰などに糸状灸、透熱灸、温灸をするが、お灸をする時期や熱量によって、治療効果が異なるということでした。温灸や知熱灸より、透熱灸や灸頭鍼、皮膚が熱く感じられるまで棒灸をするなど、熱量の大きいほうが効果は良く、妊娠7ヶ月以降より、7ヶ月までの行ったほうが効き目が良いというデータがあるそうです。実際に飯田先生が行われた逆子の灸治療においても、33週目までに来られたの方が効果があったということでした。逆子の灸は良く効くと言われていますが、今回の発表をもとに実際に臨床を通して検討していく必要があると思いました。
 続いて症例報告として脛骨内側かにおける特発性骨壊死について発表して頂きました。膝の痛みを訴える患者さんの中に時々治療してもなかなか痛みが改善されない方がいる場合は、この特発性骨壊死を疑っても良いであろうということでした。
これはレントゲンでは診断できず、MRIによって発見できるということでしたが、膝痛400人中4人くらいいるそうです。変形性膝関節症との鑑別としては、痛みがある日突然おこり、安静時痛と夜間痛は強く、脛骨に叩打痛があるということです。飯田先生も実際患者さんの中になかなか膝の痛みが改善しない方がおられ、治療法をかえたところ、時間はかかったが徐々に改善してきているということでした。この疾患の患者さんには、普通の変形性膝関節痛ではなく特別なため、治療に時間が掛かることをしっかりと説明をした上で治療することが大切だということでした。鍼灸院に通われる患者さんの中には膝痛のかたは多いため、このような疾患について知っておくことはとても大切なことだと思います。臨床経験に基づいた大変参考になる発表でした。 講義風景画像
 次の講義は二木清文先生による「病理産物」の講義でした。どういうふうに病理をみるかについて、実際臨床室での患者さんの症例をもとに講義して下さいました。1つ目の症例は奔豚気病で、これは主に動悸を主訴とされることが多いのですが、この病理としては腎の津液が不足し、虚熱があがってきて心をあぶるためにおこるということです。次の症例としてめまいの患者さんは、目の前が暗くなるということから、肝血の不足で、これが時々暗くなるというのであれば、肝虚陽虚まではいかないということでした。現在その患者さんは血中の津液が不足しただけの状態であるため、肝虚陰虚で治療しているということです。転落、打撲の場合、急激な外部からの衝撃のため、少陽経まで熱が入り、少陽経につながっている肝経にも熱が伝わっていき、木剋土で脾虚肝実となる。その他日中眠い患者さんや過呼吸の病理についても講義して下さいました。実際の症例を用いて病理考察について発表して下さったため、とても分かりやすかったです。病理考察するうえで、臓の生理などある程度の知識を持った上で、その知識をもとに自分で考えることがとても大切であると思いました。

午後

午後の実技では、始めに取穴で今回は肝経と胆経でした。胆経の臨泣の取穴では、第4,5中足骨間にふれて細い腱を触知したり、懸鐘は、骨が筋に隠れる部分を軽く軽擦することで触知できるよう何度も練習することが必要だと思いました。また、外丘は、古典によると陽交の前3分という説もあるが、後3分の方がよいという取穴法もしっかりと覚えて臨床に役立てたいと思います。
基本刺鍼実技風景
 今回の基本刺鍼は、お腹で行いました。まず、お腹を軽く軽擦し、そのモデル患者には衛気営気どちらの手技が必要かを考えた上で基本刺鍼を行いました。まず先に、腹診で衛気営気どちらの手技が必要かを考えることで、自分の手の感覚を確認し、さらに手の感覚を磨くことができると思いました。また、衛気営気の手法をしっかりすることで、お腹の状態が随分変わることも再確認できました。このお腹での基本刺鍼は様々なことを学ぶことができるとても良い練習法だと感じました。
次に呼吸法を応用した刺鍼の実技では、先週二木清文先生が考えつき、考察した呼吸法について教えて頂きました。簡易版と、しっかり呼吸法を行うという2つのパターンがあり、まず気の概念がない人や、衛気営気の手法がしっかりできない人は簡易版からする方が良いということでした。簡易版に関しては、基本姿勢を作った上で、少し身体を反らし、刺鍼してから徐々に身体を前に倒していくというでした。前に身体を倒していると、どこ擬かで施術者のからだがスッとする位置があるように思いました。次に呼吸法ですが、まず基本姿勢を作った上で、一旦押し手を構え、息をふっと吐き、大きく息を吸い天空の気を吸収します。この時胸郭を広げるような感じで胸を前に突き出すような感じで行うということでした。息を吸い終わると一旦息を止めてから刺鍼します。それから息を吐いていきますが、その時自分の湧泉に意識をもっていき、湧泉から地の気が上がってくるのを感じます。湧泉からあがってきた気が施術者の頸、頭を通ってあがっていき、天の気、地の気が腕を通って患者さんに入り込んでいくことを感じたら抜鍼するということでした。実際に二木先生に呼吸法を使って刺鍼をしてもたった先生方から驚きの声が挙がりました。従来の鍼に比べ、気の入ってくるパワーが違うとのことでした。二木先生の指導後、呼吸法を応用した刺鍼を行い、その効果について意見し合いました。二木先生いわく、まだ完成ではないとのことでしたが、刺鍼に呼吸法を加えることで、今まで以上の治療効果があげられると感じました。

  小里式は、今月も聴講生のための1つのベッドと、後は2組にわかれて全てで3つのベッドに分かれて行いました。通常の方法で治療まで進め、腹診による病理産物、脈、肩上部の改善を確認しました。今までは腹診は右回りで行っていましたが、今回は左回りもしてスムーズに回すことができるかを確認するという新しい腹診法も行いました。これは、治療により病理産物が解消し右回りはスムーズにいけても、左回りがスムーズに回らない時は、経絡がしっかり通っていないということを二木先生が発見されたことから生まれた確認法です。今月の小里式ではこの認法を使い、いつも以上に治療後の状態、手技の確認をしっかり行うことができました。
小里式実技風景
今月の例会は、呼吸法や左回しの腹診法など、新しいことを教えて頂き、とても勉強になりました。臨床の中で生まれてきた方法であり、参加された先生方が即臨床に用いることができるという点でも大変身になる勉強会でした。